第116話彼女の心は再び彼女を裏切った

シャーロットは一瞬ためらったが、結局、「いいえ、結構です」と言った。

彼女はいまマーティン家の別荘に身を寄せている。ジェームズがアレックスを好いていないのは明らかだった。波風を立てたくはない。とりわけ、もう一週間も家に帰っていないのだし、子どもたちが自分に腹を立てているのかどうかも確信が持てなかった。

アレックスとジェームズの間で仲裁役を演じて時間を無駄にする気にもなれない。そんな価値はない。

アレックスは少しだけ落胆した表情を見せた。シャーロットの胸の内を、いとも簡単に読み取ったのだ。

「シャーロット、ジェームズに傷つけられた痛みを忘れたのか? 六年前、おまえはあいつを選んだ。――そ...

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